2019年10月11日

鬼の章(18)

岩倉具視など禁裏が動いた理由がこれで理解出来る。
事前に手を打たれていた諸藩に対する根回しと相まって、これで芹沢は堂々と行動する証文を得た事になる。
「京都天狗党とはな」
「これからどうなる?」
同志達の間でも盛んに議論が交わされた。
「行き先のない浪士達はこぞって京都天狗党の元に駆けつけるだろうな。こうなれば立派な大義名分が得られる訳で、肩身の狭い浪人生活を終わらせる事が出来る上に、帝の御意向を受けた活動だと胸を張って言える訳だからな」
篠原泰之進、三木三郎、新井忠雄が交わす会話は、中庭にいた毛内と服部の耳にも届いていた。
恐らく、新井の読みは正しい。
嘗て江戸において、上洛する将軍の為に、それに先んじて上洛し、京の市中の治安維持にあたる事を目的として、浪士組なる組織が立ち上げられた事がある。
当時の京は天誅騒ぎなどで日々暴力行為が繰り返されるという状況でもあった。
一方、江戸では溢れる程の浪士達が起こす事件や、攘夷を声高に叫ぶ者達の対応に追われていた。



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posted by 服部武雄(新撰組) at 00:28| Comment(0) | それぞれの誓い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする